障がいも個性

私の休日の過ごし方が毎週同じ感じで、特に新しく始めたこともないのですが『僕らのヒーローアカデミア』(以下:ヒロアカ)というアニメを見ている子がいまして、休日の時間を持て余していることもあって、そのアニメを視聴してみました。

私(49歳)が子どもの頃といえば、世界名作劇場『母をたずねて三千里(マルコ)』や『一休さん』、『どろろんえんまくん』など数え切れないアニメに影響を受けました。

ヒロアカは少し子どもっぽい印象があり、絵のタッチやキャラ設定になにか興味が湧かなかったのですが、見ているうちに感動で泣いてしまうこともあって、デイを利用している子ども達にもぜひ観てほしい作品だと今は強く思っています。

何に感動するかは実際に見て感じていただきたいのですが、以下少しだけお伝えさせてください。


現在の社会に似てるのですが、そのアニメの世界はヒーローという職業があり、個々に特性があってそれを活かして人命救助をしていきます。また、逆にその個性で悪い事をするヒールも存在します。主人公の「出久(いずく)」は「オールマイト」というヒーローに憧れていて、自分もオールマイトのようになりたいと思って成長していきます。幼なじみの「爆豪勝己」には強烈な個性があり、近いようで遠い存在でした。

ある時、病院で出久くんには個性がない(無個性)と告げられます。お母さんは「無個性で産んでごめんね、ごめんね」と出久くんに謝ります。

しかし、ヒーロー(オールマイト)への憧れは消えず、自作のヒーローノートを作って研究するほどでした。出久くんは他者が本当にピンチになった時に後先考えずにどんな相手でも向かってしまいます。(これが個性なのかも)

その行動を後継者を探していたオールマイトが目の当たりにし、出久くんを後継者として育てていきます。雄英高校に合格し学友と切磋琢磨し出久くんがナンバーワンヒーローになっていく…そんな物語です。


私は以前から職員や子ども達に「障がいも個性」と話しており、そことリンクして特に気持ちが入りました。

この社会では、その ‘個性’ が鬱陶しがられたり、面倒くさく思われ、あたかも皆同じでないと「変な人」扱いにされることが多いです。

らいとすぺーすに来ている子ども達にはそれぞれ素敵な個性があり、私はそれが宝だと思っています。『生まれ持った個性』もあれば『環境によって生じている個性』もあります。

本人がその ‘個性’ によって差別され苦しまなければならない現代社会は、私たちの知らないところで秩序を守らせ、団体生活において潤滑に事を進ませるためだと感じてしまう。

今の日本があるのは高度経済成長期に一致団結し経済を成長させて来たからこそ ということは分かります。しかし、私の子どもの頃は「日本は米国の真似をした商品を直ぐに出す」とよく聞きました。(現在の〇国みたい)

そのうち「日本は米国の商品より良い物が作れる」となり、同じ物でも壊れにくく機能的だと広まり、 made in Japan が世界的に受け入れられ景気が良くなりました。

またそんな時代に戻ろうとしているんでしょうか?
日本の技術力は凄いと思いますが、発明に関しては世界の先駆者でしょうか?

車にしても未だどこかで見たようなデザインやったり…

マイノリティーを大切にしてこない、育てない、自由な発想を許さない、右と同じでないといけない…

そりゃ発想力が付く訳がない。


私はらいとすぺーすで ‘個性’ を大切にし、伸ばせるなら伸ばしたいと思っています。「無個性」に近づけることなど考えてません。

しかし団体生活(社会、家族等)は関りを離せませんので、対人関係における常識や他者への思いやりを持てるように声掛けはしていきます。それを受け入れてどう考えるかは本人次第です。

正直、私の常識すら私の幼少期から今までの環境下で培われたもので、合っているとは思っていませんが、他者との関りでお互いに気分よく過ごせた経験での声掛けになります。

ですので、強制するのではなく「こんな言い方もあるよ。どう思う?」と一緒に考えていくスタンスは今後も続けるつもりです。

(施設長 馬場)

放課後等デイサービス らいとすぺーす

らいとすぺーす では できないことをできるようにするのではなく それぞれの個性を理解して認め 苦手なことをやっている仲間を助けてあげられる、 そんな気持ちを大切にしています。 支援する者だけでなく、ここに集う子ども同士 みんなで補い合いながら真心をもって接することで 個々の心が豊かに育まれることを願っています。