嘘について
嘘と聞いてあまり良いイメージは無いですが、冗談での嘘、その人の事を思っての嘘(心配を掛けたくないなど)自分の都合による嘘等々。会話を盛り上げることで全くの嘘ではないですが大げさに伝えることもよくありますがその伝達が各々の大げささや、「~やと思うで」が「~らしいで」になったり、人数を経て元の話とは全く違う内容に変化(嘘)していきます。最後に伝えられた人は嘘とも分からずに全くの実話として伝えてしまいます。
他者への配慮での嘘は真意が伝わるまでは不信感を抱いたり要らぬお世話になることもあります。しかし知らない事で救われる時もあり大人が良く使うように思います。
言葉での伝達はメモや録音をしていない限り、直ぐに消えて無くなる物なので、それを受けた相手の記憶や解釈、価値観、そもそも話をどれだけ理解しているのか。伝言という手段(普段から紙と鉛筆、記憶機器を持参していない)がほとんどで、この世の中に真実というもの自体あり得ないものかも知れませんね。
新規で来られた子どもさんの中には平気に嘘をつく方も居てます。初めての人に対して試されてる様に感じますが、簡単に嘘をつくようになっている背景があると思います。これまで自分の意見が通ることが殆どなければ、自分の気持ちと逆の事を言ってみたり。
幼少期に大人に対し甘えたいと思っている時に甘えることが出来ないことが頻繁にあると、自分の気持ちをどう表せば良いのか分からなくなると思います。虐待などがあればなおさら大人への不信感や一番信頼してる人は誰なのかも分からなくなり誰の事も信用できなくなり、他者との関りが苦手になると考えられます。
高学年ぐらいになると何年間もその状態で放置され年齢的に人格形成されてしまっていることもあり、デイで職員の声掛けや他児童からの注意も聞かず(聞いていても自分の価値観との差がありすぎて理解できない)自分勝手な行動をされることが多いです。
嘘と言いますか本当の自分の気持ちが伝えれない、他者を信頼できない、本心を伝えると怖い思いをする、などの要因により対人関係になると回避術で常に使われて本人は悪気も無く、それ自体が自分自身の自然体て過ごされていると思う。
どの様なケースで育たれたのか人それぞれにありますが、一般的な親子関係で育てられた子どもとの理解の溝が深く自身が大人になりある程度客観的に物事を考えられるようにならないと対人関係での良好な構築は難しいと思います。
デイで過ごしていただく中で少しずつ互いに信頼関係を築きながら、嘘をついて自分を守る必要はなく安心して自分を表現しても良いという体験を積み重ねていっていただきたいす。
施設長 馬場
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